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第 2 章 タイプセッティングの調整 9

2.4 文書本体の調整

9. プログラムの外部から文書をタイプセットコンパイルします.

Note SWPSWを使ってコンパイルすると,内蔵のコンパイラは.glsファイルを検索 しませんので,文書をタイプセットしても著者名リストは表示されません.

(aWindowsのプログラムリストのSWP,SWサブメニューからTrueTEX Formatter を選択します.

(b)ファイルを選択してOKボタンをクリックします.

文書に目次やクロスリファレンスが含まれている場合は, 2-3回コンパイルする必要が あります.

2.4 文書本体の調整

タイプセット仕様は各章や節の見出し,テキスト,リスト,注釈,その他自動生成される文書要素 も含め,様式全般を規定します. しかしLATEXパッケージやTEXコマンドを使用すれば,そのタ イプセット様式に種々変更を加えることができます.

2.4.1 章や節の見出し様式を変更する

タイプセット仕様は章や節の見出しやそれに付帯した番号の取扱いを規定します.見出しの様式 や番号の振り方等を調整するためにはタイプセット仕様の変更が必要になります. その場合文書全 体を対象とすることもありますが,特定の章や節だけを対象にすることも可能です.

見出しの位置を変更する

章,セクションなどの見出しの位置は個々のシェルによって注意深く設定されています. しかし ニーズによってはその設定を大幅に,あるいは微妙に調整する必要が出てきます. sectstyパッケー ジ(166ページ参照)が提供するコマンドを使用することにより,見出しの位置を章や節といった セクションレベルごとに調整できます. ただしこのパッケージを使用すると章や節の番号が削除さ れてしまい,目次に見出しが表示されなくなりますので注意してください(番号が振られていない 見出しを目次中に含める方法は27ページを参照してください). Style Editorのシェルで作成し た文書の場合には,見出し位置の変更はStyle Editorを用いて行います.

◮特定セクションレベルの見出しをすべて移動する 1. 文書にsectstyパッケージを追加します.

2. タイプセットメニューからプリアンブルを選択します.入力ボックスの適当な場所をクリッ クします.

3. プ リ ア ン ブ ル の 最 下 行 に, 各 セ ク シ ョ ン レ ベ ル(division)に 対 応 し た 形 で コ マ ン ド

\divisionfont{x}を 入 力 し ま す. こ こ に\divisionfont の 部 分 は セ ク シ ョ ン レ ベ ル に 応 じて,\partfont,\allsectionsfont,\chapterfont,\sectionfontといった表現にな ります. 一方xには見出しの位置を指定するコマンドを次のように入力します.

コマンド 機能

\centering 見出しの中央揃え

\raggedleft 左に余白を挿入して右揃えにする

\raggedright 右に余白を挿入して左揃えにする 4. OKボタンをクリックします.

特定の見出しの位置だけを移動させたい場合にはTEXコマンドで操作できます. この操作では 章や節の番号が維持されますので,目次から見出しが消えてしまうといった問題は発生しません. ただし章番号に自動的にChapterという文字を付すシェルに対しては適用しないでください.

◮特定の章や節の見出し位置を変更する

1. 見 出 し を 表 示 し た い 位 置 に カ ー ソ ル を 移 動 し,カ プ セ ル 化 し たTEXフ ィ ー ル ド を 挿 入 し ます.

2. 入力ボックスに {\location\division{Name}}と入力します. ここでlocationは新しい見 出 し の 位 置 を 示 す 値,divisionは 該 当 す る セ ク シ ョ ン レ ベ ル, Nameは 見 出 し の テ キ ス ト です. 見出しの位置については先に示した \centering, \raggedleft, \raggedright のいずれかを入力してください.

3. OKボタンをクリックします. 4. 元の見出しを消去します.

セクション番号の操作

シェルによって見出し番号を設定するセクションレベルは決まっています. しかし,より深いレ ベルまで番号を振りたいとか,逆に番号を振りたくないといったニーズが生じます. (番号が振ら れていない見出しを目次中に含める方法については27ページを参照してください).

番号付け範囲の調整

1. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

2. プ リ ア ン ブ ル の 一 番 下 の 行 に \setcounter{secnumdepth}{x}と 入 力 し ま す. こ こ でx は番号付けを行う最も深いセクションレベルに対応した値です.セクションレベルについて は次の表を参照ください.

x /節区分(セクションレベル)

-1 部(Part 0 章(Chapter 1 節(Section 2 サブセクション 3 サブサブセクション 4 サブサブサブセクション 5 サブサブサブサブセクション

2.4 文書本体の調整 35

LATEXではドキュメントクラスに関係無く,セクションのレベルを1としています. 3. OKボタンをクリックします.

◮特定のセクション番号を削除する

• v4.0以降を使用している場合

1. 見出しの先頭にカーソルを配置し,プロパティボタン をクリックします. 2. セクションプロパティのダイアログボックスで番号無しを選択します.

3. OKボタンをクリックします.

• より以前のバージョンを使用している場合

1. 見出しを表示したい位置にカーソルを移動します. 2. カプセル化したTEXフィールドを挿入します.

3. 入力ボックスに \division*{Name}と入力します. ここでdivisionはセクションレベ ルを示す値で,Nameは見出し用のテキストです.

4. OKボタンをクリックします. 5. 元の見出しを消去します.

LATEXはページヘッダーを作成する際,番号の無い見出しは無視します. 従って番号の無い 付録を作成した場合,付録ページに付されるページヘッダーには先行する章やセクションの 見出しが反映された形となります.

セクション番号の様式を変更する

特定のセクションレベルに対応した番号の出力様式を変更したいというニーズも発生します. えば章番号には大文字のローマ数字を,節の番号には大文字のアルファベットを,サブセクション にはアラビア数字を,といった具合です. このような場合はプリアンブル中にTEXコマンドを埋 め込むことで対応できます.

◮セクション番号のスタイルを変更する

1. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

2. プリアンブルの一番下の行に\renewcommand{\level}{scheme{counter}}と入力します. こ こ でlevelは ス タ イ ル を 変 更 し た い セ ク シ ョ ン レ ベ ル の 値 で, thechapter, thesection, thesubsection な ど と 入 力 し ま す. 一 方schemeに は 番 号 の ス タ イ ル で あ る Roman

arabicなどを入力します(番号の様式については18ページを参照ください).またcounter

はセクションレベルのカウンタで, partchapterなどと指定します. 3. OKボタンをクリックして操作画面に戻ります.

章の番号を大文字のローマ数字,セクション番号を大文字のアルファベット,サブセクション番 号をアラビア数字で表示する場合は,次のようにコマンドを入力します.

\renewcommand{\thesection}{\Alph{section}}

\renewcommand{\thechapter}{\Roman{chapter}}

\renewcommand{\thesubsection}{\arabic{subsection}}

自動生成されるセクション番号を調整する

プリアンブルにコマンドを設定することで,章や節に対する番号付けを1以外の数字から開始で きます.

セクション番号を1以外の数字から始める

1. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

2. プリアンブルの一番下の行に\setcounter{name}{x}と入力します. ここにnameとは 番号付けを調整したいセクションレベル(division)を意味します. 以下の表を参照くださ い. 一方xは開始したい番号より1少ない値を指定します.

章/節区分(セクションレベル) name 部(Part part

章(Chapter chapter

節(Section section

サブセクション subsection サブサブセクション subsubsection サブサブサブセクション paragraph サブサブサブサブセクション subparagraph 3. OKボタンをクリックします.

自動生成されるセクション名を変更する

タイプセット仕様によっては,特定のレベル(章や節)に対しChapter References といった 用語を自動生成する場合があります. これらは必要に応じ,例えばChapter からLesson ,ある いは References から Bibliography へと変更することができます.なお見出し用語の変更は目次 等,文書全体へも影響を及ぼしますので注意が必要です.

◮自動生成されるセクション名を変更する

1. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

2. プリアンブルの一番下の行に次のように入力します.

\renewcommand{\name}{Newname}

ここでnameは変更したい文書構成区分の名称(次表参照)であり,Newnameはそれに与 える新たな名称を意味します.

2.4 文書本体の調整 37

3. OKボタンをクリックします.

文書構成区分 name 文書構成区分 name

序文 prefacename tablename

参考資料 refname partname

概要 abstractname encl enclname

文献目録 bibname cc ccname

章 chaptername To headtoname

付録 appendixname ページ pagename

目次 contentsname 参照 seename

図一覧 listfigurename 関連項目 alsoname

表一覧 listtablename 証明 proofname

索引 indexname 用語集 glossaryname

図 figurename

例えば目次のタイトルをContents からTable of Contentsに変更する場合はコマンド

\renewcommand{\contentsname}{Table of Contents}

を使用します. 同様にChapter Lesson に変えたい場合は

\renewcommand{\chaptername}{Lesson}

を,References Bibliography に変える場合は

\renewcommand{\refname}{Bibliography}

を使用します.

文献目録のタイトルに関しては取扱いが使用するドキュメントクラスによってまちまちです. かしchbibref パッケージ(119ページ参照)を利用すれば, article, book, report3つのLATEX ドキュメントクラスに対し画一的な扱いが可能になります.

◮全てのドキュメントクラスに対応した方法で文献目録のタイトルを変更する

1. v 3.51もしくはそれ以前のバージョンを使用している場合は,最初にchbibref パッケージ

を入手し,インストールします. v4.0以降では標準で内蔵されています. 2. 文書にchbibref パッケージを追加します.

3. タイプセットメニューからプリアンブルを選択し,入力ボックスの適当な場所をクリックし ます.

4. プ リ ア ン ブ ル の 一 番 下 に 新 た な 行 を 作 成 し\setbibref{name}と 入 力 し ま す. こ こ で nameとは新たにセットしようとする文献目録のタイトルを意味します.

5. OKボタンをクリックします.